Satén養生記 第二話「Playback –過ぎ去りし時を求めて–」 | cafemagazine

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Satén養生記 第二話「Playback –過ぎ去りし時を求めて–」

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Satén養生記 第二話 
「Playback –過ぎ去りし時を求めて–」

 
今回2回目となるブログなのですが、現在店舗進行中なのですぐに進捗を、、、と言いたいところなのですが、これまでの経緯とSaténが生まれるまでには外せないエピソードを話しておかなくてはいけません。失敗談や恥ずかしい話もありますが、コーヒーと同じで透明性は非常に大事です。少しだけ遡らせていただきます。

タイトルは振り返りという事でユーロスペースのカフェで働いていた頃の、思い出深い映画「Playback」からとらせていただきました。
スターウォーズでいうところのファントム・メナスの部分でございます。私が暗黒卿になるまでを、、、と言いたいところですが、店名がSaténになるまで
のお話でございます。
 
遡る事1年前、今回共に抽出舎を立ち上げ、Saténを経営していく小山和裕君のUNISTANDで、コーヒースタンドで出せる抹茶ラテを開発したいと雑談したのがきっかけでした。
UNISTANDにはバリスタ仲間と訪れたり、家が近いこともあってよくお茶をいただいていたわけです。

コーヒー飲まないの? って思われるかもしれませんが、普段仕事で飲んでいるので休日はコーヒー以外を。というのが長く続けていると多くなってくる。休日もコーヒーを飲んでしまうとたちまち仕事になってしまうので、「休日に飲むコーヒーは全部美味しい」と自分に言い聞かせ、何も考えないのです。

お店でコーヒーを飲んだとしても、普段からあまり喋りませんので、そもそも特に言葉を発することはないのですが。

そんな雑談の後、奇跡的なご縁でサンフランシスコで出店したいという女性も加わり、当初は仕事終わりに集まったりと、三人で打ち合わせや計画を考える日々でした。三人で店舗名を持ち寄り発表し合い、どれが良いかを議論したり、どんな空間をイメージするか? どんな商品展開か? などを詰めていく日々でした。

タイミングというのは難しいもので、食材同様、物事にもやはり旬があるのです。それぞれの当時のおかれている状況とスタートのタイミング、拠点など議論の上、サンフランシスコと日本それぞれ別れて活動する事となりました。お茶を介して、いつでもまた協力し合いたいと思っています。共に切磋琢磨していけたらと思っております。

そして、当初予定していた店名は「Kawasemi Japanese Tea」という名前。カワセミという鳥は漢字で翡翠と書き、翡翠の色は鮮やかな緑色で、水の綺麗なところに生息する。また、玉露の玉は翡翠のことを指すということでイメージしました。
また世界中に生息していて海外に進出していく上でも、誰にでもビジュアルが伝わりやすいといった点も気に入りました。
 
私が店名を考えるときは、言葉の響きを大事にします。そして誰にでも伝わり易い言葉。文字や言葉から感じる質感や温度、抽象的ではありますがそんなことを考えます。
 
次に自分の中で仮のロゴやビジュアルのイメージを膨らませていきます。基本的には休憩中や電車の中など、ふと時間の空いた時に携帯で作成しています。早いもので五分ぐらいで作ることもあります。
 

カワセミと茶碗を合わせてみたり
 
 
 
削って見たり足してみたり


手描きで書いてみたり


複合的に組み合わせたり
 
 

街中にも沢山アイデアが転がっています
 
 
本職のデザイナーさんのように専門的な知識や特殊なソフトというわけでないのですが、空いた時間に直感でイメージを具現化できるので私には合っています。非常にシンプルです。
なんでもいいので形にしていくこと。夢を夢で終わらせない為に。
 
今回はそんなイメージを具現化して頂ける頼もしいデザイナーチームと出会ったのでお任せし、現在抽出舎 & Saténロゴを作成中でございます。
近日公開予定です。楽しみにお待ちください!!
 
最後に、あるインタビューの際、私にとってカフェとは「自分」と答えたことがあります。

店を作るというのはある種、自己表現のようなものだと思うのです。答えはないと思うのです。みんなと同じに進む必要性なんてない。やるからには自分の好きなことを突き詰めて形にしていけたらと思います。もちろん長く続けるためにはしっかり利益も出す必要がありますが。個性的な店がどんどん増えていってほしいと思います。
 
さて、今回では語りきれません。

次回も、もう少し振り返らせていただきます。工事風景を早くお伝えしたいのですが。。。
 
 
というわけでちょっとだけ店内の進行状況を。
 
before
 
 
after
 
外壁はここからどう変わるのでしょうか。もう時期工事スタートです。
 
 
 
カワセミとして動き出したチーム、早々と出店のイメージも決まり、会社も無事に法人化。そこに待ち受ける数々の試練。早く、店舗の情報をお伝えしたいのですが。

次回、カワセミ死す!!
おそるべし商標登録。

に続きます。御期待下さい。
 
太’’郎
 
 
追記、Makuakeさんでのクラウドファンディングですが、スタートして約一週間、皆様にご支援いただき無事に100%達成致しました。本当にありがとうございます。まだ期間はありますので、迷っている方おりましたら、ご検討頂ければ幸いです。皆様から受けたご恩に対して満足頂ける店になるようより一層精進いたします。
 
藤岡
 
 
クラウドファンディングページ
https://www.makuake.com/project/saten/ 
 
 
 
会社紹介について
(株)抽出舎という会社を日本茶の小山和裕さんと共に立ち上げました。
長くバリスタという仕事に従事する中で、海外の模倣ではなく、新たな型を発信して行く必要性を感じ、日本の文化との調和、日常に根差した店作りを目指したいと強く思う様になりました。

日本茶、珈琲など飲料は水を介して抽出されるもの。
生きるには水でよい。人は何故、抽出という工程を経るのだろうか。
抽出とは水に愉しみを与える事、嗜好とは人を時に迷わせ輝かせるもの。

抽出舎では「水と共に愉しみ抽出を哲学する」という理念を掲げ、抽出を行う淹れ手として利を生み出し、継続させていく事を目指していきます。
店舗運営だけでなく、小売、店舗プロデュース、コンサルティング、トレーニング等、多角的に行っていく所存でございます。
 
 
店舗について
茶店、織物を意味する日本茶スタンドSatén Japanese tea を四月下旬に西荻窪にオープンさせます。サテンには出会いやご縁を紡いでいく事、昔から日本の憩いの場として存在していた茶店(茶屋)を見直し、日本国内だけでなく海外にも新しい型を提案していけたらと思い名付けました。死語では無くカッコいい言葉として世代問わず使って頂けたらと思っています。
日本の古き良きものを見直し発信していけたらと考えています。